
マツダが、上級市場への進出を図るために投入したCX-60が、顧客維持に効果を発揮し始めています。
マツダの上級戦略が結実し始める。CX-60がブランドに果たす役割
CX-60の成功と顧客維持
マツダオーストラリアのマーケティング担当責任者であるアラステア・ドーク氏は、Driveとのインタビューで、CX-60がブランド内で顧客を引き留める役割を果たしていると語りました。
「CX-60を導入する際、最初のターゲットは既存の顧客であると常に言っていました。生活ステージが進む中で、ブランドの製品階層に留まり続ける選択肢を提供することが重要でした」とドーク氏は述べています。
以前は、CX-5のターボモデルが多くの人にとっての頂点でしたが、さらに上級な車を求める顧客に対してCX-60がそのニーズを満たしていると言います。
数字で見るCX-60の成功
2023年7月に発売されたCX-60は、今年の6月末までに4,599台の新規登録を達成しました。マツダによれば、約30%のCX-5オーナーがブランドに留まり、CX-60へとアップグレードしています。
CX-5の価格帯は36,590ドルから55,000ドル、対してCX-60は60,550ドルから86,800ドルと、明確なステップアップを提供しています。
競合との戦い
CX-60の価格設定は、レクサスNX(63,400ドル〜)、アウディQ5(73,400ドル〜)、ジェネシスGV70(70,500ドル〜)などのプレミアムブランドと競合する位置にあります。ドーク氏は、この競争が容易ではないことを認識していますが、ブランドの信頼を築くために時間がかかると述べています。
「この領域での信頼を築くには時間がかかりますが、我々はその道を歩んでおり、これからも続けていきます」と語っています。
今後の展望
マツダがプレミアム市場での地位を確立するにはまだ時間がかかると予想されますが、CX-60だけでなく、CX-90の7人乗りモデルや、CX-70、CX-80といった新しいモデルも控えており、その展開に期待が寄せられています。
ドーク氏は、「それには何年もかかるでしょう」と述べ、マツダが長期的にこの市場での成功を目指していることを強調しました。

