欧州仕様SKYACTIV-Xの試乗レポートが、どどどっと公開されました。おおむね好評ながら「これぞSKY-X!」という決め手が足りない印象のようです。
欧州仕様SKYACTIV-Xのレビュー
「静か」で「滑らか」なSKYACTIV-X
まず、エンジン音をしっかり収録しているLOVECARSTV!の動画を見てみます。
河口まなぶ氏は、「静か」と「滑らか」を連発していますね。アクセルを踏み込んだ時のエンジン音は、クォ〜ンというよりは、太く低いブォ〜ンって感じでしょうか(笑)。この辺りの「サウンド」はディーゼルには無いですからね。
再発進のもたつき、鈍い加速をネガティブとして挙げています。この辺りは、エンジンの素性ではなく、最近のマツダの味付けによるものかもしれませんね。
「らしさ」を買うなら、SKYACTIV-X搭載車が、一番マツダが言っている走りを体現している、だそうです。
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トランスミッションは改良の余地あり
レビューを掲載しているメディアをいくつか取り上げてます。メカニカルやテクニカルな説明をではなく、心情的、感覚的な感想に注目して、気になった部分をピックアップしました。
緑色背景の文章はポジティブ、黄色背景の文章はネガティブな感想です。
スカイアクティブ Xモデルはマツダ3ベスト
- スカイアクティブ Xの全域でドーピング感のない力強さとフラットな特性は、マツダが目指す「滑らかな走り」に対する答えの一つと言っていい。
- 走りと燃費のトレードオフが少ない点は評価できるが、絶対的な数値として見てしまうと…。
- これらはエンジンの問題と言うよりもトランスミッションの影響が大きい。
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飛び抜けて速いわけでもなく、かといって飛び抜けて燃費がいいわけでもない
- とくに街中レベルのアクセル操作に対する”つき”のよさは抜群だ。
- 普段の何気ない走りのなかでの気持ちよさを味わえるのがこのエンジンの特徴である。
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印象は“普通にとてもよくできたエンジン”
- 何より新しい何かに乗っているという実感が薄いのだ。せめて、250〜270Nmくらいあれば…。
- 6速ATの各ギヤのギャップの大きさもあり、せっかくの新しいエンジンに乗っているという歓び、それほど濃厚ではないのだ。
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一般的な走行ではほぼ全域でSPCCI
- 驚くことに一般的な走行ではほぼ全域でSPCCIだった。
- それなりに意地悪な乗り方なども試してみたが、むしろSI状態にするのが難しいほど。
- 何よりもうれしいのは太めのトルクが幅広い回転域でレスポンス良くデリバリーされることだ。
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雑感
一番気になっているSKY-Xの商品としての魅力、アピールポイントをわかりやすく数字として伝えることができるのか、という点については、やっぱり難しいようです。
各メディアで、トランスミッションの改良を望んでいるのが、とても気になります。マツダは、SKY-Xのトルクの出方からしても多段化の必要はないとずっと説明していましたが、実際に運転した人たちにとっては、多段化が必要と思わせたということは、おそらく、購入者予備軍にもそう思わせるのではないでしょうかね。
ラージ商品群の登場には8速ATが採用されるという噂もありますし、スモール商品群が採用するトランスミッションにも改良が施されることを期待します。
SKY-Xの燃費が2.0Lガソリン比で+17%では、車両価格差を燃料代で…と考えるのが難しくなります。SKY-D 2.2と比べた場合は、最高出力ではどっこいどっこい、トルクではボロ負け、燃費でもかなわない…しかし、静粛性は抜群というところでしょう。
数字ではなく、感覚的なもの…マツダが唱える「人馬一体」により近づいた車になるためのエンジン=自分たちが満足できるエンジンなのかどうか。どのみち、自分で運転してみないと分かりません。