デジタル世代が描いた“親友のようなクルマ”〜MAZDA VISION X-COMPACTが問いかける、人とクルマの新しい関係

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マツダの若手デザイナー・高橋さんが手がけた「MAZDA VISION X-COMPACT」。AIやEVが進む時代に、あえて“親友のようなクルマ”を描いた背景には、デジタル世代ならではの視点がありました。

デジタル世代が描いた“親友のようなクルマ”〜MAZDA VISION X-COMPACTが問いかける、人とクルマの新しい関係

若手デザイナーが語った、“親友”という言葉の意味

皆さん、こんにちは。『MAZDA VISION X-COMPACT』デザイナーの高橋です。皆さんは、一人でクルマに乗っていて、『ちょっと退屈だ』と感じたことはないでしょうか──。

JMS2025のステージで、高橋さんは静かに語りかけました。クルマの隣に友人が座っていれば、気軽な会話が生まれ、行き先を提案してくれたり、運転を褒めてくれたりする。そんな関係性をクルマに重ねる彼の言葉には、「クルマを通じて人の心が動く瞬間をつくりたい」という想いがにじんでいました。

“親友のようなクルマ”を目指した理由

高橋さんが語る「親友のようなクルマ」は、便利な道具ではなく、寄り添う存在としてのモビリティを指しているように感じられます。

AIや自動運転が進む中で、クルマは次第に“機能の集合体”になりつつありますが、彼はその流れの中で、あえて「感情の通い合い」という人間的なテーマを選びました。

スマートフォンでつながるのが当たり前の時代に、運転の時間は、時にひとりきりで過ごす静かな空間にもなります。だからこそ、クルマが気分に寄り添い、さりげなく背中を押してくれるような存在になれば、「出かけてみよう」と思う人が増える…高橋さんの語りからは、そんな想いが伝わってきます。

形に込められた“近さ”のデザイン

出会った瞬間からクルマを近くに感じ、心が通い合う。そんな体験を提供したいと思っています。

高橋さんが語ったこの言葉は、X-COMPACTのデザインにも息づいています。内外の境界をなくす“INSIDE OUT”の造形は、車内と街と人が自然につながる感覚を生み出しています。

また、インテリアは必要以上に情報を詰め込まず、視線と手の動きにすっと馴染むシンプルな構成。クルマに「乗る」というより、「共に過ごす」感覚を大切にしているように見えます。

デジタル時代に生まれた“温かさ”

デジタルネイティブ世代のデザイナーが、最新のテクノロジーに囲まれた環境の中で、あえて“温もり”や“親密さ”をテーマに選んだことは興味深いことです。

それは、マツダが長年大切にしてきた「人馬一体」の思想を、次の時代へと受け継ぎながら、“心の一体感”へと広げようとする試みのようにも感じられます。

このX-COMPACTは、EVやAIといった技術が主役になる未来において、マツダがどのように“人間らしさ”を守ろうとしているのかを象徴する存在と言えそうです。

若い感性が照らすマツダの未来

マツダの「ひと中心」哲学は、熟練の技術者たちだけでなく、次の世代のデザイナーによっても静かに受け継がれています。高橋さんのように、日常のリアルな感覚から“クルマのあり方”を考える若手の存在は、これからのマツダにとって大きな財産になっていくのではないでしょうか。

彼が語った「親友のようなクルマ」という言葉は、まだ形になりきってはいません。けれども、その発想の根にある“人とクルマの絆”を信じる心が、これからのマツダをゆっくりと動かしていくように思えます。

マツダ
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