マツダ、塗膜耐食性評価サービスの事業化を検証へ

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マツダは、塗装部品の防錆性能を短時間で定量評価できる独自技術を活用し、「塗膜耐食性評価サービス」の事業化に向けた検証を開始しました。自動車製造で培った防錆技術を他分野へ展開し、社会課題の解決を目指します。

マツダ、塗膜耐食性評価サービスの事業化を検証へ

測定器

短時間で「錆の進行」を見える化するマツダの独自技術

従来、防錆性能の評価には専用試験機を使い、数カ月かけて錆を発生させ、目視で劣化を確認する手法が一般的でした。マツダはこの非効率を打破するため、2017年に業界で初めて「塗膜の耐食性を数分〜数十分で定量的に評価できる」技術を実用化しました。

この技術は持ち運び可能な小型測定器を使用し、試験室に限らず現場でも評価が可能です。これにより、試験期間の短縮、評価基準のばらつき解消、実環境に近い条件での測定といった従来の課題を一挙に解決します。マツダが長年培ってきた塗装・防錆分野の知見を応用した成果といえます。

社会インフラの維持にも応用、環境負荷を低減

マツダはこの評価技術をサービスとして他業界に提供することで、社会課題の解決にもつなげようとしています。

塗料や塗装部品の開発現場では、試作や再試験の回数を減らせるため、原材料やエネルギーの使用量削減に寄与します。さらに橋梁や鉄塔などの社会インフラ分野では、塗膜の劣化状態を正確に把握したうえで、最適なタイミングで補修を行う「状態基準保全(CBM)」が実現可能になります。

これまで「一定期間が経過したら補修する」という保守方法が一般的でしたが、今後はデータに基づいた効率的なメンテナンスが期待されます。

2026年の事業化を目指し、SaaS型展開も視野に

現在マツダは、協力企業から提供された塗装サンプルを独自技術で評価し、結果を報告書として納品する「受託型評価サービス」の事業性を検証中です。

2026年にはこの受託型サービスの本格事業化を目指すとともに、将来的にはクラウドを活用したSaaS型(Software as a Service)サービスへの発展も視野に入れています。これにより、顧客が測定データをオンライン上で共有・解析できる仕組みの構築を計画しています。

マツダはこの技術を紹介する場として、2025年11月12日から14日に幕張メッセで開催される「第8回塗料・塗装設備展-COATING JAPAN-」への出展も予定。自動車技術を核に、社会全体の持続可能性に貢献する新たな挑戦が始まります。

 
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