マツダが開発した電子ミラー技術は、ドライバーの直感と一致する映像表示を実現することで、安全性と運転負担の軽減を両立する革新的な特許です。
ドライバーの“直感”に合わせた電子ミラー技術をマツダが特許化
特許7683235 車両用電子ミラー装置
背景と課題
近年、電子ミラー(カメラモニターシステム)が急速に普及しつつありますが、従来の電子ミラーでは、ミラー映像に映った追い抜き車が視界から消えたあと、ドライバーがどのタイミングでその車両を再び直接視界で確認できるかという「感覚的なズレ」が問題となっていました。この“知覚のタイムラグ”があると、ドライバーは追い抜き車の挙動を把握しにくくなり、運転中の負担や危険性が増してしまいます。
解決手段
この課題に対して、マツダはドライバーの「知覚到達時間」に着目した新たな電子ミラーの制御技術を開発しました。
具体的には、以下の構成が採用されています。
- 車両の側方~後方を撮影するカメラと、その映像を左右反転して表示するディスプレイ
- 車両と追い抜き車の相対速度差をもとに、画角(視野範囲)を自動で調整する制御部
- 相対速度が遅い場合ほど、追い抜き車の映像がより広い範囲に映るように画角を拡大表示
さらに、過去の実験データから、方位角(追い抜き車の見え方の角度)と知覚到達時間の関係をマップ化し、ドライバーの知覚と物理的な動きが一致するようにリアルタイムで画角調整を行います。









効果
この技術により、ドライバーが「今、ミラーに映っていた車が直接視界に現れた」と自然に認識できるようになり、ミラーと直接視界のつながりが直感的に理解できるようになります。結果として、追い抜き車の挙動を把握しやすくなり、運転中の判断ストレスが軽減される効果があります。
また、相対速度差に応じた柔軟な画角調整が可能なため、速度や状況を問わず安定した知覚的統一感が得られるのも大きな利点です。

