マツダ、業績予想を異例の「未定」に。米追加関税リスクが経営に影響

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マツダ、業績予想を異例の「未定」に。米追加関税リスクが経営に影響

米国の追加関税による先行き不透明感がマツダの経営に影を落としている。2026年3月期の業績予想は異例の「未定」となった。

マツダ、業績予想を異例の「未定」に。米追加関税リスクが経営に影響

売上高は過去最高も、営業利益は大幅減

マツダの2025年3月期決算は、売上高が前年比4.0%増の5兆189億円と初の5兆円突破を記録。一方、営業利益は同26%減の1,861億円、純利益も同45.1%減の1,141億円となった。北米での販売増加が全体をけん引したが、販売奨励金(インセンティブ)の増加や品質対応による出荷調整などが利益を圧迫した。営業利益率は3.7%と低下しており、増収減益となった。

2026年3月期予想は「未定」〜トランプ関税の影

マツダは、2026年3月期の通期業績見通しを「未定」とする異例の対応を発表。主因は、米国で検討中の追加関税措置。仮にトランプ前大統領が再登板した場合、最大100%の関税が日本車に課される可能性がある。毛籠勝弘社長は「合理的に算定できる状況にない」とし、4〜6月期決算時の見通し発表を目指すと述べた。4月単月で関税による営業利益への影響は90〜100億円と見積もられており、リスクは顕在化している。

米国依存からの脱却急ぐも、アジア市場は苦戦

現在、マツダの米国販売は全体の約3分の1を占め、そのうち約8割が日本・メキシコからの輸出車両。関税が実施されれば大きな打撃となる。国内生産維持と地域経済への影響を最小限にとどめるため、米国以外の市場での反転が急務。だが、2024年度は中国で23.1%減、タイでは40.8%減と、アジア市場の不振が目立つ。マツダはCX-5後継車や新型小型SUVの投入で巻き返しを狙う。

フェーズ2始動 構造改革と電動化を推進

マツダは2030年に向けた中長期計画のフェーズ2(2025~2027年)へ移行。今後はライトアセット戦略を掲げ、保有資産の効率活用とパートナー企業との協業を推進する。また、「マツダものづくり革新2.0」により、生産・開発の柔軟性と効率性をさらに強化。変動費・固定費それぞれ1,000億円の削減や、サプライチェーンの構造改革を図る。新技術として「SKYACTIV-Z」や自社製ハイブリッドの導入、BEV(バッテリーEV)戦略も展開予定。

組織風土改革も本格化

経営の「人」の部分でも改革が進行中。2023年11月から“BLUEPRINT”と呼ばれる社内風土変革活動を開始し、間接部門1万2,000人に実施。2025年春には直接部門1万1,000人にも展開予定で、全社的な組織活性化を図る。技能系社員向け寮の建て替え、キャリアの複線化、人材確保に向けた首都圏拠点強化なども並行して進めている。

まとめ:試されるマツダのレジリエンス

米国頼みの構造に揺さぶりをかける追加関税リスク。マツダは、アジア市場での反転、構造改革、組織変革の三位一体で厳しい局面に立ち向かう。フェーズ2で掲げる「経営レジリエンスの強化」が、同社の今後を左右する鍵となる。

マツダ
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