マツダは、車両の加速度に応じた音像位置の変化でドライバーに荷重移動を知覚させ、運転精度を向上させる音生成装置に関する特許を取得しました。
マツダ、車両挙動を音で伝える技術の特許を取得
特許7595842 車両用音生成装置
背景
従来の車両用音生成技術は、エンジン音やモータ音を再現するものが主流でした。これらの技術は運転状況を音で表現する一方、車両に加わる力の変化をドライバーに伝えることは難しく、車両挙動を正確に認識する助けにはなりませんでした。
課題
車両に加わる力の変化を音で効果的に知覚させ、荷重移動を明確に感じ取らせる仕組みが不足していました。その結果、運転者が直感的に車両挙動を把握できず、操作の精度向上に限界がありました。
解決手段
本特許では、車両の加速度やトルクの変化を利用して合成音の音像位置を制御する仕組みが提案されています。具体的には、以下のような機能を備えています:
- 加速度に応じた音像移動:車両の前方への加速度が増加すると、合成音の低周波数成分を運転席の後方に定位させることで、荷重移動をドライバーに直感的に伝えます。
- 加速が無い場合の定位制御:加速度が低い場合は、音像位置を前後に偏らないように調整し、挙動変化が無い状態を認識しやすくします。
- トルクによる応答の高速化:加速度が生じる前にトルクの変化を検知して音制御を行い、挙動変化の早期予測を支援します。
- 低回転域での効果強化:低回転時には音の出力レベルを高め、加速開始時の荷重移動をより明確に伝えます。
このような制御により、荷重移動や車両の挙動変化を効果的に知覚させ、操作精度を高めることが可能になります。
効果
加速度や荷重移動を音響的に表現することで、運転者が直感的に車両挙動を把握できます。これにより、運転操作の精度が向上し、より安全で快適なドライブ体験を提供することが期待されます。また、予測的な制御による迅速な反応で運転者の認知負荷を軽減する効果もあります。