［特許］マツダ、複数前方車両を考慮したハイビーム制御で視認性を向上させる技術に関して特許を取得

マツダは、複数前方車両を考慮したハイビーム制御で視認性を向上させる技術に関して特許を取得しています。

マツダ、複数前方車両を考慮したハイビーム制御で視認性を向上させる技術に関して特許を取得

特許7510609 車両用ヘッドライト制御装置、及び配光パターンの制御方法

本発明は、車両用ヘッドライト制御装置及び制御方法に関し、特に、車両に搭載され、ハイビーム及びロービームを照射可能なヘッドライトの配光パターンを制御する車両用ヘッドライト制御装置、及び配光パターンの制御方法に関する。

背景

従来の車両用ヘッドライト制御装置では、前方車両の位置情報を基にハイビームの照射領域を抑制し、前方車両のドライバーへのグレア（眩光）を防ぐ仕組みがある。特に、自車両の前方に複数の車両がいる場合、それぞれに対してハイビームの照射抑制領域を設定することで、前方視界の確保を目指している。

課題

多くの前方車両が存在する場合、個々に照射抑制領域を設定すると計算負荷が増加し、処理能力の高いプロセッサが必要となりコストが増大する。また、従来の技術では、先行車両同士や対向車両同士の間の領域にハイビームが照射されないため、視認性が十分でないことがある。

解決手段

本発明は、以下の構成を特徴とする車両用ヘッドライト制御装置およびその制御方法を提案する。

• 前方車両検出部：前方車両を検出。
• 個別制御範囲設定部：車両前方に延びる所定の個別制御範囲を設定。
• 領域設定部：検出された前方車両の位置と個別制御範囲に基づき、ハイビームの照射を抑制する照射抑制領域を設定。
• 配光制御部：設定された照射抑制領域へのハイビーム照射を抑制するようにヘッドライトの配光パターンを制御。
• 個別制御範囲内では、前方車両1台ごとに1つの照射抑制領域を設定し、個別制御範囲外では複数の前方車両に対して1つの照射抑制領域を設定。

効果

本発明の車両用ヘッドライト制御装置およびその制御方法によれば、計算負荷の増大を抑制しつつ、周辺物標などの視認性を大幅に改善することができる。個別制御範囲内の前方車両に対して1台ごとに照射抑制領域を設定することで、前方車両間の領域にハイビームが照射されるため、ドライバーは視界を広く確保でき、前方物標の視認性が向上する。一方、個別制御範囲外の前方車両に対しては、複数の前方車両に対して1つの照射抑制領域を設定するため、計算負荷を増大させることなく効率的に配光制御を行うことができる。また、車速が高い場合には遠方まで個別制御範囲を設定することで、高速走行時にも十分な視認性を確保し、安全性を向上させることができる。さらに、対向車線内には自車線内よりも遠方まで個別制御範囲を設定することで、対向車線側の視認性も向上させることができる。これにより、ドライバーはより遠方の周辺物標を余裕を持って視認し、安全に運転することが可能となる。

 
特許7510609 | 知財ポータル「IP Force」（車両用ヘッドライト制御装置、及び配光パターンの制御方法）

 
これは、ALH（アダプティブ･LED･ヘッドライト）といっちゃっていいのかな？ まだまだ進化の余地は大いにあるということでしょうか。