マツダが、2022年11月22日に発表した「2030年に向けた経営の基本方針」にある『電動化戦略』について少し考えてみます。
マツダの電動化戦略と2030年までのスケジュール
2030年までを3つのフェーズに分け、柔軟に電動化に対応。
第1フェーズ:電動化時代に向けた開発強化
既存資産であるマルチ電動化技術を活用し、魅力的な商品と環境負荷の低減を両立。
この2年間は、マイルドハイブリッドのe-SKYACTIV Dとe-SKYACTIV PHEVを搭載するCX-60〜CX-90までのラージ商品群をデビューさせることが主なタスクです。
これに加えて、MX-30 EVモデルにロータリーエンジンを発電機を搭載して航続距離を延長するMX-30 R-EV(PHEV)も2023年1月以降に投入します。さらに、直6にしたe-SKYACTIV Xも追加されるはずです。これに加えて、e-SKYACTIV Gの搭載車種を増やすしています。国内ではMazda3とCX-30に搭載。欧州ではCX-5にも載りました。
世代としては、Mazda3、CX-30、CX-50、MX-30のスモール商品群、CX-60〜CX-90までのラージ商品群とも第7世代になります。
第1フェーズの電動化技術
- e-SKYACTIV G
- e-SKYACTIV D
- e-SKYACTIV PHEV
- e-SKYACTIV R-EV
- e-SKYACTIV X(直6)
第2フェーズ:電動化へのトランジション
新しいハイブリッドシステムを導入するとともに、電動化が先行する中国市場において、EV専用車を導入するほか、グローバルにバッテリーEVの導入を開始。
まず、「新しいハイブリッドシステム」は、きっと、「e-SKYACTIV R-HEV」の事だと思われます。日産のe-POWERのようにメインのパワートレインにするのか、それとも、マルチソリューションの一選択肢とするのかが気がかりです。搭載車種は、おそらくスモール商品群になるのでしょう。2025年以降には第8世代に移行する時期と重なってくるので、フルモデルチェンジのタイミングから順次採用になるのでしょう。
この2025年という年は、ドライバー異常時対応システムが、「MAZDA CO-PILOT 2.0」に進化する時期でもあります。「MAZDA CO-PILOT 1.0」からソフトとハードの追加が必要になりそうですが…以前の記事では、
既存センサーの仕様に加えて360°確実に見るためのカメラの追加、高精度地図、自車位置を判断するためのロケーターECUを追加し、マツダ独自のアルゴリズムで働かせていると説明した。ただし、これらが2.0に必ずしも必要であるとは考えてない
マツダが最新安全技術「マツダ・コ・パイロット・コンセプト」を解説、2022年投入のラージ商品群から搭載 – Car Watch
とあるので、どんな落とし所で、どの車から採用されるのでしょうね。これまで新機能搭載の第一弾としてアクセラ/Mazda3が使われてきたことを顧みると、Mazda3の可能性があるのかもしれないと思っています(価格次第ですけどね)。
話をもとに戻して…以前、マツダは、2025年までに『ハイブリッドモデル5車種、プラグインハイブリッドモデル5車種、EVモデル3車種』を順次導入するとしていました。すると、EVモデルが3車種登場することになります。
雰囲気だけでしょうけど、先日の説明会で使われた資料には、EV専用群として次のような説明図が使われていました。
さらに右側の4台を拡大すると、
サイズやボディ形状からすると、左からMazda6相当、CX-5相当、Mazda2/CX-3相当、Mazda3/CX-30相当のようにも見えます。
モーターを前1個+後2個搭載することを想定しているように見えますが、果たしてどんなシステムで登場するのか…。インホイールモーターの特許は多く見ているのですが、発明の中にはこうした機構は、あまり見かけないようにも思います(見逃しているだけかな)。今後、多くが明らかになってくるでしょう。
第3フェーズ:バッテリーEV本格導入
バッテリーEV専用車の本格導入を進める。2030年時点のグローバル販売におけるEV比率は、25%から40%を想定。
車名や車種構成(乗用車、クロスオーバーSUV、大中小型)など、どれも未知数ばかりです。内燃機関搭載車をすべてEVモデルに置き換えるのか…マツダのEVに対する哲学が邪魔をして大きなバッテリーを搭載するEVモデルを作れないとなると、販売面で大きなハンデとなると思うのですが、どうバランスを取るのか。
想像や妄想するにしても材料が、足りないように思います。お手上げです。
コメント
電動化の対象車両にmazda2らしきものが入っていた事に少し安心しました。その繋ぎなのか、来年にはmazda2が最後のマイナーチェンジが行われる様です。(マガジンXより)