マツダは、熱効率を改善するロータリーエンジンの構造や制御に関する特許を取得しています。
マツダ、熱効率を改善するロータリーエンジンに関する特許取得
特許7159661ロータリピストンエンジン
本発明はロータリピストンエンジンに関する。
- 課題
ロータリピストンエンジンにおいて、EGR導入時には燃焼重心がリタードして熱効率が低くなる問題が知られている。その解決策として、点火時期のアドバンス化及び着火遅れ期間(点火から見掛けの熱発生開始までの期間)の短縮が考えられる。しかし、ロータリピストンエンジンの場合、レシプロエンジンとは違って、その構造上、点火後の燃焼初期において火炎から燃焼室壁面への熱伝達が大きくなり易い。そのため、アドバンス点火では着火ロバストの確保が難しく、着火遅れ期間の短縮が難しいという問題がある。そこで、本発明は、ロータリピストンエンジンにおいて、アドバンス点火及び着火遅れ期間の短縮を可能にして、燃焼重心のアドバンス化による熱効率の改善を図る。
- 解決手段
本発明は、上記課題を解決するために、ロータの外周面に、リーディング側凹部の容積がトレーリング側凹部の容積よりも相対的に大きくなったリセスを形成し、点火プラグがリーディング側凹部に臨んでいるときに点火するようにした。 - 発明の効果
本発明によれば、ロータの外周面のリセスはリーディング側凹部がトレーリング側凹部よりも容積が大きくなっていて、点火時期を圧縮行程上死点よりも進角させ、点火プラグが容積の大きなリーディング側凹部に臨んだ状態で点火するから、燃焼初期の火炎からの冷却損失が抑えられるとともに、スキッシュ流が強化されて火炎の成長が促進されるため、着火ロバスト性が向上するとともに、着火遅れ期間の短縮が図れ、点火時期の進角によって燃焼重心を最適化することが容易になり、熱効率の改善に有利になる。
特許7159661 | 知財ポータル「IP Force」(ロータリピストンエンジン)
関連特許
- 特許7159662 ロータリピストンエンジン
本発明は、ロータリピストンエンジンにおいて、アドバンス点火及び着火遅れ期間の短縮を可能にして、燃焼重心のアドバンス化による熱効率の改善を図る。
特許7159820 ロータリピストンエンジン
本発明は、ロータリピストンエンジンに関し、特に、サイドハウジングに吸気ポートと排気ポートとが形成されたロータリピストンエンジンに関する。
- 課題
本発明の目的は、低回転運転領域の燃焼安定性を向上可能なロータリピストンエンジンを提供することである。 - 解決手段
ロータリピストンエンジンは、クランク軸回りに回転可能なロータと、このロータの外周を囲むロータハウジングと、前記ロータの前記クランク軸方向両側に配設され且つ前記ロータ及びロータハウジングと協働して作動室を形成する1対のサイドハウジングとを備えたロータリピストンエンジンにおいて、前記1対のサイドハウジングの何れかに形成された吸気ポートと、前記1対のサイドハウジングの何れかに形成され且つ前記クランク軸直交断面における短軸方向において前記吸気ポートと同じ側に設けられた排気ポートと、排気行程から吸気行程へ移行途中の作動室に開口する供給口と、前記供給口に対して、前記作動室へ供給される吸入空気量を計測する吸入空気量検出装置を経由した燃焼用1次エアを供給可能な1次エア供給通路とを備えた1次エア供給機構とを有し、前記1次エア供給通路の途中部に低回転運転領域で開作動すると共に前記低回転運転領域よりも高い高回転運転領域では閉作動する第1開閉弁を設け、前記排気ポートが、第1排気ポートと、前記第1排気ポートよりも排気開始タイミングが遅い第2排気ポートとにより構成され、前記第2排気ポートに前記供給口を形成したことを特徴としている。
特許7159820 | 知財ポータル「IP Force」(ロータリピストンエンジン)
マツダは、ロータリーエンジンの搭載を再開するので、こうしてロータリーエンジンに関連した特許が出てくるのは、ある意味当たり前ですよね。気になるのは、それが「いつ発売されるか」です。年内には発表になるのかなぁ。
MX-30以外にのCセグにもロータリーエンジンを発電機として使うPHEVないしはHEVを設定するのかも大いに気になります!