マツダは、FR車を1ペダル操作でもステアリング操作に対する車両の応答性又はリニア感を向上させることができる車両制御システム及び方法について特許を出願しています。
特開2019-217997 車両制御システム及び方法
一方、単一のペダルの操作により車両の加速及び減速の両方を行うことができる車両が、近年提案されている。ここで、車両の応答性やリニア感を向上させる車両姿勢制御は、発進/加速時にはアクセルペダル、減速/停止時にはブレーキペダルを操作する構成の車両を前提としたものである。このため、車両姿勢制御を、近年提案されている単一のペダルの操作により車両の加速及び減速を行う車両に適用すると、増加トルクを適切に設定できない虞がある。
従って、本発明は、原動機により後輪が駆動される車両を制御する場合であっても、ステアリング操作に対する車両の応答性又はリニア感を向上させることができる車両制御システム及び方法を提供することを目的としている。また、本発明は、原動機により後輪が駆動される車両を制御する車両制御システムであって、車両のアクセルペダルの踏込量に基づいて車両の加速度が設定される第1ペダルモード、又は車両のアクセルペダルの踏込量に基づいて車両の加速度及び減速度が設定される第2ペダルモードを選択するためのモード選択器と、車両の運転状態を検出する運転状態センサと、車両に搭載された操舵装置の操舵角を検出する操舵角センサと、運転状態センサの検出信号及び操舵角センサの検出信号に基づいて原動機を制御する制御器と、を有し、制御器は、運転状態センサの検出信号に基づいて、原動機が発生すべき基本トルクを設定し、操舵角センサにより操舵角の増加が検出されると、基本トルクを増加させるように、増加トルクを設定し、基本トルクに増加トルクを加算したトルクが発生するように、原動機を制御するように構成され、制御器は、モード選択器によって第1ペダルモードが選択されている場合と、第2ペダルモードが選択されている場合で、異なる増加トルクを設定することを特徴としている。
この特許の注目する点は、
- FR車に減速度を与える制御では、操縦安定性の向上や、車両挙動の応答性、リニア感の向上という効果を得ることはできなかった。
→FR車では、トルクを増加させると効果を得られた。 - 1ペダルであっても、ステアリング操作に対する車両の応答性又はリニア感を向上させることができるシステムである
現行のGVCのような制御では、FR車には効果がないんですね。AWD車で効果が出ているからFR車でもと言うわけではないんですね(浅はか)。前輪が駆動しているのか、後輪が駆動しているのかが肝心ということ?
そして、アクセルだけで加減速をコントロールする「1ペダル(モード)」を想定している点にも興味をそそられます。今後、1ペダル操作を採用した車両が登場する可能性もあるのでしょうか? それを採用しても、操る楽しさを忘れていない車に仕上げるという意気込みでもあるということか…。
これに関連した特許を複数同時に出願しています。
- 特開 2019-217992 車両制御システム及び方法
- 特開 2019-217993 車両制御システム及び方法
- 特開 2019-217994 車両制御システム及びその製造方法
- 特開 2019-217995 車両制御システム及び方法
- 特開 2019-217996 車両制御システム及び方法
- 特開 2019-218019 車両の制御方法及び車両システム
- 特開 2019-218020 車両の制御方法及び車両システム
ここのところ、FR車に関する特許の出願・取得が多く目に付きます。