J.D. パワー、2020年日本自動車初期品質調査(IQS)の結果を発表。マツダは大幅改善

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J.D. パワーが、2020年日本自動車初期品質調査(IQS=Initial Quality Study)の結果を発表しています。マツダは、昨年から19PP100もの大幅改善となっています。

J.D. パワー、2020年日本自動車初期品質調査(IQS)の結果を発表

2020年日本自動車初期品質調査(IQS)

この調査について

年に一回、新車購入後2~9カ月のユーザーを対象に、所有する自動車の不具合経験についての評価を8分野233項目で聴取。自動車の初期品質に関するユーザー評価を明らかにする調査。今年で10回目の実施となる。

8分野の内訳

  1. 外装
  2. 走行性能
  3. 装備品/コントロール/ディスプレイ
  4. オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション(ACEN)
  5. シート
  6. 空調
  7. 内装
  8. エンジン/トランスミッション
  • 実施期間:2020年5月~6月
  • 調査対象:新車購入後2~9ヶ月経過したユーザー
  • 調査方法:インターネット
  • 回答者数:19,435人

 

主な調査結果

  • 2020年調査における総合不具合指摘件数は、業界平均60PP100(車両100台当たり平均60件の不具合指摘)となった。現在の調査項目設計の初年である2014年の84PP100に比べ、6年間で24ポイント改善し、2019年調査(66PP100)より6ポイント改善した。
  • 2014年以降、最も品質改善が進んだ分野は「エンジン/トランスミッション(6.6ポイント改善)」、次いで「内装(5.4ポイント改善)」である。具体的な項目としては「AT/CVT‐変速中のもたつき/シフトタイミングが悪い」、「カップホルダー‐使いにくい」、「室内の不快なにおい」などでの不具合指摘件数の減少が目立つ。
  • 一方、安全装備や先進技術関連では、不具合指摘件数が増加しているものもみられる。2014年に比べ不具合指摘件数が最も増加したのは「車載ブルートゥース(Bluetooth®)での携帯電話/デバイスのペアリング/接続不良」、次いで「車載音声認識システムが認識しない/誤った認識をすることがよくある」、「車線逸脱警告システム(レーンキープアシスト)‐スイッチ類/表示が分かりにくい/使いにくい又は場所がよくない」等である。これらは新車における同種機能の装備率増加が不具合指摘件数増の要因となっている。

 

国産車ではマツダが大きく品質を改善

調査対象となったほとんどのブランドで2014年よりも不具合指摘件数が減少し、品質の改善が進んでいる。特に改善幅が大きいブランドは、MINI(69ポイント減)、ボルボ(56ポイント減)、マツダ(45ポイント減)だった。この3ブランドは競合に比べ、品質改善の成果が大きく、2014年調査よりブランドランキングを向上させている。

 

他ブランドからの買い替え層は厳しい品質評価

同じブランドからの買い替え/買い増しをした層の不具合指摘件数が58PP100に対し、他ブランドからの買い替えをした層の不具合指摘件数は67PP100となり、+9ポイント不具合指摘が多かった。異なるブランドからの買い替えをした層は車両品質に対して厳しい評価をする傾向がみられる。この傾向は国産ブランドを中心としたマスマーケットブランドよりも、ラグジュアリーブランドでより顕著だった。

 

顧客満足度は向上せず

本調査では、不具合指摘とは別に総合的な品質に対する評価を10段階で測定しているが、2014年調査の平均7.66ポイントに対し、2020年調査では7.68ポイントと、ほとんど変化が見られなかった。品質改善が確実に進んでいるにもかかわらず、ユーザーの品質に対する満足度の向上がみられない実態が明らかになった。

 

2020年ブランドランキング

ホンダが、初めて総合1位となりました。評価が高かった車は、N-BOX、フィット、シャトルです。ラグジュアリーセグメント1位は今年もレクサスです。

業界平均が、昨年の66PP100から60PP100に改善していることを差し引いても、マツダが80PP100から61PP100に改善しているのは、やはり注目に値します。業界平均まであと1PP100です。その業界平均以上の顔ぶれから、トヨタが落ちて日産が上がっています。どうしたトヨタ?

J.D. パワー、2020年日本自動車初期品質調査の結果を発表

 

まとめ

J.D. パワーによると、

自動車メーカー各社の取り組みにより、自動車の品質は明らかに改善している。しかし顧客満足度には伴っておらず、より一層の取り組みが必須である。調査結果からは、新たな品質不具合のテーマとして顕在化しつつある安全装備や先進技術関連機能や、他ブランドからの買い替え層の不具合指摘を低減するための研究が不可欠である。これらの問題に対する解決策を市場に呈示していくことが、競争優位戦略への第一歩となるであろう。2021年には本調査を含めた品質調査に関する調査モデルの見直しを含めた設計変更を行うことで調査内容を強化していく予定である。

とまとめられています。車は、どんどん複雑化する一方で、しかも、その中心は安全装備(運転支援機能)と言う点も注目です。

 
2020年日本自動車初期品質調査(IQS) | J.D. Power

 

J.D. パワー、2019年日本自動車初期品質調査(IQS)の結果を発表。マツダは僅かに改善
J.D. パワーが、2019年日本自動車初期品質調査(Initial Quality Study)の結果を発表しています。マツダは、昨年から8PP100ほど改善しています。