ユーロNCAP、より厳しい試験を2020年から採用

ユーロNCAP、より厳しい試験を2020年から採用

ユーロNCAPは、2020年から新しく採用する試験や更新する項目など安全評価法の更新を案内しています。

ユーロNCAP2020年からの安全評価法

Mobile Progressive Deformable Barrier(可動前進変形バリアー)

もっとも衝撃的なのが、この試験です。これまでは、静止したバリアーに試験車両をぶつけていましたが、これは、試験車両もバリーも時速50km/hで移動してオフセット衝突させます。試験車両には、「THOR」と呼ばれる精密計測できる中型男性衝突試験ダミーが搭乗しています。

これまでのオフセット衝突試験よりも運動エネルギーがずっと大きくなることで、材質や構造の見直しが必要になってくるのでしょうか。

Far-Side Impact(遠い側の衝撃)

これまでの側面衝突試験では、ドライバー側からぶつけていました。新しい側面衝突は、助手席側からぶつけます。すると、ドライバーが大きく助手席側に揺さぶられます。多くの場合は、サイドエアバッグはドア側にあるので、ドライバーと助手席の搭乗者とぶつかる恐れがあります。

これに対応するには、シートの左右にエアバッグを装備することなどがあります。

Rescue and Extrication(救助と救出)

Rescue Sheet(Rescue Data Sheet)

乗員の閉じ込めは、以前ほど一般的ではありません。 しかし、それが実際に発生する場所では、脱出は以前よりも困難になる可能性があります。 高張力鋼の使用には特殊な切断装置が必要であり、エアバッグとシートベルトプリテンショナーの普及により、車内に閉じ込められている人と解放しようとしている人の両方に危険が生じます。

救急データシートは、事故現場での緊急サービスに詳細情報を提供し、適切な方法で患者を救助するのに役立ちます。データシートには、車両から人を救助することに関連するすべての情報が含まれています。これには、さまざまなコンポーネントがマークされた車両の図(タンク、バッテリー、エアバッグ、ベルトテンショナー、構造補強、高電圧コンポーネントおよびケーブルなど)が含まれ、場合によっては追加情報も含まれます。

Rescue Data Sheets – VDA

マツダドイツが公開しているレスキューシート(レスキューカード)です。

Mazda Rettungskarten

救出とeCall/マルチコリジョンブレーキ

ドアを開く力が測定され、自動ロックされるドアは、ロックが解除されたことを確認、シートベルトを外すのに必要な力が測定します。

また、自動通報システム(eCall)や事故の二次被害防止に役立つマルチコリジョンブレーキを装備していることが高評価に繋がります。

マツダは、2019年発売の新型車から救急自動通報システム「D-Call Net」を搭載します。
【公式】 ポストコリジョンブレーキシステム

AEB Car-to-Car(自動車対自動車の自動緊急ブレーキ)

2020年以降、Euro NCAPはAEB Car-to-Carに単純に報酬を与え、幅広い速度範囲で機能を評価します。歩行者や自転車などの脆弱な道路利用者向けのAEBシステムは、引き続き個別に評価されます。

試験動画を見ると、対向車が接近してくるのに不用意に曲がろうとする、という難しいシーンがあります。緊急自動ブレーキが右左折に対応し始めているので、必須の機能になってきそうです。

Occupant Status Monitoring(搭乗者モニタリング)

シートベルト非装着のウォーニングやドライバーの疲労と注意力をモニタリングする機能が評価されます。

まとめの動画

EURO NCAP ILLUSTRATES NEW PROTOCOLS OF 2020


Euro NCAP | Euro NCAP Presents Latest Overhaul of Its Safety Rating

雑感

こうして見ると、これまでの装備では事足りず、更新や追加が必要になってくるのがよく分かります。マツダは、第7世代から救急自動通報システム(D-Call Net)を採用するなど、安全性のさらなる向上に取り組んでいますが、ユーロNCAPではさらにその上を行っています。

マツダCX-30は、成人乗員保護でほぼ完璧な99%というスコアを叩き出していますが、これがそのまま通用するのでしょうか?

EU圏では、2021年以降に発売される車に対して、アルコールや居眠り検知など12の安全装備を義務化するなんて話もあり、環境性能が厳しくなるなど自動車会社には、今回の新型コロナウイルス禍も加わり苦労する時間が続きそうです。