マツダには、プリクッシュセーフティ技術としてSCBS(スマートシティブレーキサポート)とSBS(スマートブレーキサポート)がありますが、主要装備一覧を見る限り同時装着できる上、作動速度に違いがあるなど何だか分かり難いこともあり、一度まとめて見ることにしました。
メーカー | 名称 | センサーの形式 | 停止可能速度 | 作動速度 | 参考価格 |
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マツダ | SCBS | レーザーレーダー | 4〜15km/hまで | 約4〜30km/h | 80,000円 |
SBS | ミリ波レーダー | 15〜30km/hまで | 約15km/h〜高速域 | 145,000円 | |
スバル | EyeSight | ステレオカメラ | 30km/hまで | 全車速対応 | 100,000円 |
ホンダ | CMBS | ミリ波レーダー | 30km/hまで | 全車速対応 | 70,000円 |
シティブレーキアクティブシステム | レーザーレーダー | 30km/hまで | 約30km/h以下 | 60,000円 | |
スズキ | レーダーブレーキサポート | レーザーレーダー | 5〜15km/hまで | 5〜30km/h | 40,000円 |
ダイハツ | スマートアシスト | レーザーレーダー | 4〜20km/hまで | 約30km/h以下 | 50,000円 |
トヨタ | PCS(被害軽減タイプ) | ミリ波レーダー | (停止には未対応) | 約15km/h以上は全車速対応 | 140,000円 |
PCS(回避支援タイプ) | ミリ波レーダー | 30km/hまで | 約15km/h以上は全車速対応 | 60,000円 | |
PCS(歩行者対応・回避支援タイプ) | ミリ波レーダー ステレオカメラ |
40km/hまで | 約5km/h以上は全車速対応 | 810,000円 | |
三菱 | e-Assist | ミリ波レーダー | 30km/hまで | 全車速対応 | 95,000円 |
日産 | エマージェンシーブレーキ | カメラ | 30km/hまで | 約10〜80km/h | 74,000円 |
ミリ波レーダー | 60km/hまで | 全車速対応 | (標準あり) |
こうして見ると、性能がてんでバラバラ、価格もピンきりです。自動車の安全性を実車でテストする「自動車アセスメント」に平成26年度から衝突被害軽減ブレーキの試験が追加されるそうです。
また、ユーロNCAPでは、2013年から自動ブレーキの評価が実施されており、2014年は最高評価の5つ星を獲得するには自動ブレーキが必須となるんですね。
各社いろいろある中で、歩行者を認識できるのは、カメラを使っている、EyeSight、PCS(ステレオカメラ併用型)、エマージェンシーブレーキ(カメラ式)のみです。
マツダのプリクッシュセーフティ技術
SBS(スマートブレーキサポート)
ミリ波レーダーを使って約200m先までの先行車や障害物を感知し、衝突の危険があると認識すると、2段階でブレーキを制御するシステムです。
約15km/h以上、145km/h以下の走行時に衝突の危険性がある場合、自動ブレーキによる減速・停止を行い、特に中・高速域での走行時の前方の衝突回避をサポートもしくは衝突による被害の低減を図ります。
SCBS(スマートシティブレーキサポート)
SCBSは、市街地や渋滞走行時における低速域での前方衝突回避をサポートするシステムです。
約4~30km/hでの低速走行中、フロントウィンドーに設置したレーザーセンサーで前方の車両を検知し、衝突の危険性が高いと判断するとブレーキを自動制御します。ドライバーのブレーキ操作に対して即座に強い制動力を発揮できるよう準備します。さらに、ドライバーがブレーキやハンドルでの衝突回避操作を行わなかった場合には、自動的にブレーキをかけると同時にエンジン出力を抑制し、衝突回避をサポートもしくは衝突による被害の低減を図ります。
両方載せた場合、30km/hくらいの速度で走行中は、どちらのシステムが作動するのでしょうね。SBSはMRCC(マツダレーダークルーズコントロール)を実現させるためのブレーキシステムという認識では間違いなのかな。ただ、明確に「停止する」と言っているのは、SBSだったりするんですよね。
ところで、例のCX-5での試乗会事故の調査はその後どうなっているのでしょうね…。